Jones式でいうところの[ɑ]は、IPAでは/ɑ/もしくは/ɒ/と考えてください。

/ɑ/と/ɒ/の音は
・/ɑ/は唇を自然に開いた状態で、/ɒ/は唇を丸めた状態で
・舌の最も高い位置が舌の付け根付近にくるようにし
・舌と上あごの感覚を最も広くして
発音する音です。

上記三点を省略して、/ɑ/は『非円唇・後舌・広母音』といい、/ɒ/は『円唇・後舌・広母音』といいます。なお、英国英語で/ɒ/のところを米国英語で/ɑ/と発音する単語が多いようです。ちなみに記号ɒは、turned script a(回転させた文字a)と呼ばれています。

簡単に言うと、/ɒ/も/ɑ/もどちらも日本語で[オ]の発音をするように[ア]と発音するイメージです。発音記号もoとaを合わせたような文字を使っています。

舌の位置のイメージ図です。
これはあくまで位置関係のイメージですので、実際は音の方を大切にしてください。
vowel-ao

[ɑ](/ɒ/)の発音

/ɒ/, /ɑ/の単語英国発音米国発音
lot(くじ)/lɒt//lɒt/
odd(変な)/ɒd//ɑd/
wash(洗う)/wɒʃ//wɑʃ, wɔʃ/

[ɑː](/ɑː/)の発音

長母音/ɑː/は/ɑ/を伸ばした音です。

/ɑː/の単語英国発音米国発音
father(父)/ˈfɑːðər//ˈfɑð·ər/
start(始め)/stɑːt//stɑːt/
hard(堅い)/hɑːd//hɑːd/

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