Jones式でいうところの[əː]は、IPAでは[ɜː]に該当することの多い音です。

この音は、
・唇を自然に開いた状態で
・舌の最も高い位置が舌の真ん中付近にくるようにし
・舌と上あごの感覚を少し広めにとって
発音する音です。

/ɜ/は『非円唇・中舌・半広母音』といい、/ə/は『中舌・中央母音』といいます。

/ɜ/は、/ə/(シュワー、口の中をリラックスしたときに出る音)と比べて少し舌を下げたときに出る音です。/ɜ/単体で使われることはほとんどなく、主に長母音 /ɜː/ として使われます。/əː/と/ɜː/の区別は難しいところですが、たとえば bird /bɜːd/ を考えると感覚がつかめるかもしれません。この発音がもし/bəːd/だったとすると、(/ə/ は口の中をリラックスさせる音なので) /bd/ のような音になってしまいます。そうではなく、しっかり伸ばして発音するんだよということが/ɜː/で示されていると考えることもできます。

なお記号ɜはギリシャ文字イプシロン(ε)を左右逆さまにしたものです。

舌の位置のイメージ図です。
これはあくまで位置関係のイメージですので、実際は音の方を大切にしてください。
vowel-3

[ɜː]の発音


/ɜː/の単語英国発音米国発音
nurse(看護師)/nɜːs//nɜrs/
stir(かき混ぜる)/stɜːr//stɜr/
learn(習う)/lɜːn//lɜrn/
refer(言及する)/rɪˈfɜː//rɪˈfɜr/

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