9. 母音：əの発音（シュワー）

Jones式でいうところの[ə]は、IPAでも/ə/です。

この音は、リラックスした状態で自然に出る音なので有名です。シュワーという名前がついています。

この音は、
・唇を自然に開いた状態で
・舌の最も高い位置が舌の真ん中にくるようにし
・舌と上あごの感覚を中くらいにして
発音する音です。

上記の特徴から、/ə/を『中舌・中央母音』といいます。

口の中をリラックスさせた状態で音を出すと自然とこの音になります。

舌の位置のイメージ図です。
これはあくまで位置関係のイメージですので、実際は音の方を大切にしてください。

[ə]の発音

短い母音です。/ə/。これを発音するには、口をリラックスすればいいだけ。さあやってみましょう。/ə/。もう一度。/ə/。これは英語ではとても良く使われる音です。母音を一つだけ含むgrammar words（なくても意味の通じる語：反対語content words）で良く使われています。たとえば、a, the, of, that。これらを練習してみましょう。a, the, of, that。音節が複数ある単語でも良く使われている音です。about, common, standard, butter。練習してみましょう。about, common, standard, butter。よろしい。

/ə/は英語で最も重要な単語と言っても過言ではありません。あまりにも重要なので、固有の名前がついています。ジョーンといいます。いやいや、本当はシュワーと言います。おもしろいですね、シュワーという語のどこにも/ə/の音は含まれていないのです。ではなぜこの語はそんなに重要なのでしょう。とても言い易くて、良く使う音だからです。３つ以上の音節がある単語のほとんどには含まれていると考えてよく、強弱とリズムを正しくとるために重要な役割を担っているのです。

シュワーは一般的に、「強調しない音節」にあります。例を見てみましょう。accuse, banana, father, camera。さあやってみましょう。accuse, banana, father, camera。シュワーは「単語の発音の一部」ですが、同時に「単語の発音の全て」にもなることがあります。例をお見せしましょう。ちょっと失礼してアシスタントを呼びます。a cup of tea。ありがとう。普通の一杯のお茶です。しかし、aとofを自然に発音するとどうなるでしょう。aとofがシュワ―になります。さあやってみましょう。よろし。これはcup ofを発音するときの自然で一般的な方法で、実際イギリス英語ではcuppaという単語がa cup of teaの意味を持っています。さて、いまや私はこのcuppaをとても楽しみにしています。次は、a piece of cakeをどうしても食べたい！